感染症迅速診断
インフルエンザ
当院は富士フィルムメディカル社の 「IMMUNO AG1」 を検査機器として採用しております。
富士フィルム社が誇る写真現像の銀塩増幅原理技術の応用により、試薬中の金コロイド標識の周囲で銀を増幅させるため、従来のキットに比べて 検出感度を約100倍に向上させます。
そのため、従来の検査では偽陰性と判定される可能性があったインフルエンザの発症初期 (発熱から12時間以内) においても驚くべき検出力を発揮します。
従来の検査と比較して
◎
発症して間もないインフルエンザを正確に診断できることで、翌日以降に再び病院を受診しなければいけないリスクが減少します。
◎ 最短で3分30秒と検査時間が大幅に短くなります。
(※弱陽性である場合はこれまで通り15分かかります)
◎ 機器が判定するため、人間の目による判定誤差が解消されます。なお、当院では本機器を2台配備しているため、インフルエンザのピークの時期でも十分に対応可能となっております。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は Mycoplasma pneumoniae を起炎菌とする肺炎であり、通常の社会生活を送っていても発症する市中肺炎において肺炎球菌、インフルエンザ桿菌と並んで高い頻度を占めます。インフルエンザのみならず、マイコプラズマに対しても非常に良好な感度・特異度を誇る 「IMMUNO AG1」を用いた迅速診断システムを当院は採用しております。
A群β溶血連鎖球菌
ウィルス感染である風邪症状に類似した細菌感染症として肺炎や副鼻腔炎の他にA群β溶血連鎖球菌 (以下、A群β溶連菌)
による咽頭炎は見逃してはならない疾患の一つです。なぜなら不十分な抗生物質の投与期間によってリウマチ熱を引き起こしてしまうからです。リウマチ熱とは、A群β溶連菌の感染2 ~
3週後に続発する全身性炎症性疾患であり、高熱、関節痛、食欲不振を起こすだけでなく、約半数が心臓に炎症を起こし、致命的な心弁膜症へ進展する可能性もあります。
小児に頻度の高いA群β溶連菌咽頭炎ですが、成人においても急性咽頭炎の約10%を占めるため、疑わしい症状がある場合は「IMMUNO AG1」を用いた迅速診断システムを用いて診断しております。